2015年1月17日土曜日

CESに見るウエアラブルデバイス

今回のCESでは、ウエアラブルデバイスも様々なものが展示されていました。昨今、販売されているウエアラブルデバイスの多くがフィットネス目的のものです。時計型の端末で歩数や脈拍などのバイタルデータを拾って、それをスマホと連携して、クラウド上のサービスで管理するといった形のものが主流です。

GPSの位置情報なども合わせて走行距離などを算出するしくみを持つ物も多く、腕時計型以外にも様々な形の物があります。変わり種はこれ。スワロフスキーとのコラボで作られたセンサー内蔵のジュエリー。さすが、このブースは、女性に人気のようでした。



より高度なセンサーテクノロジーを搭載した、ヘルスケア、医療目的のウエアラブルデバイスやセンサーも実用化が進んでいます。




こうした医療用デバイスも今ではネットワーク化され、集中管理されるようになっています。こうしたフィットネス、ヘルスケア系のデバイスは、健康管理や医療現場に多くのメリットをもたらす一方で、こうした情報が誤って扱われると、深刻なプライバシー問題や、医療事故などにつながります。フィットネス系のクラウドサービスが侵害されれば、個人の行動履歴が漏洩する可能性がありますし、医療系の機器では、障害や誤検知などによる対応の遅れや誤診といった事故の可能性があります。もちろん、医療系などの機器には様々な基準が有り、安全が担保されているはずですが、フィットネス系の機器やサービスにはこうした基準といえる物が今のところありません。様々な情報が統合されればされるほど、情報漏洩が発生した際のインパクトが大きくなるので、とりわけ、こうしたサービスを提供する企業はセキュリティには充分留意する必要があるでしょう。また、そうした情報の取り扱いについて、利用者に対する透明性を保証する必要もあります。たとえ匿名情報であっても、そうした情報がどのように利用されるのかといった内容は明らかにされる必要がありますし、それを利用者が拒否する(もしくは、それを理由に利用しない)選択肢も与える必要があります。IoTも含め、こうしたプライバシー問題は今回のCESでも多くの議論がありました。

ウエアラブルなセンサーで、面白い物もいくつかありました。たとえば、これは脳波センサーです。コンピュータを操作したり、映像や音を視聴している際の脳の反応を拾って学習し、コンピュータへの入力デバイス(いわゆるブレイン・マシンインターフェイス)として利用しようというものです。


将来的には、こうした技術を使って、考えるだけでコンピュータや機器を操作できるようなことが実用化されるかもしれません。下のセンサーは指輪型のモーションセンサーで、指の動きを検知できます。


こちらは、たとえば画面に触れずにジェスチャーでコンピュータや機器を操作する、といった用途が想定されています。カメラによるモーションキャプチャも既に実用化されていますが、こちらのほうが情報処理の負荷は少ないかもしれません。

こうしたセンサーはどんどん身近な物になってきます。リスクはリスクとして認識しつつ、うまく利用していくことが必要でしょう。

次回はロボットテクノロジーについて見てみます。

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